ウナボンの泣き泣き日記

ウナボンの泣き泣き日記

6.バリウムかよ

☆バリウムかよ☆

バリウムの日になってしまった。ブルーだ、ブルー過ぎる・・・。
私の前をクチの周りを真っ白にしたヘロヘロな人が通り過ぎる。
‘私も数十分後にはこんななのか・・・’
仕方なく検査用の服に着替え、先生の指示を待った。
バリウム担当の先生から検査の説明を受ける。
私の顔はどうやら歪んでいたようだった。
「バリウム相当嫌いそうだね」
・・・バレた。
「えぇ・・・」
そう答えると先生は
「僕のバリウム検査はラクですよ。少しのバリウムでちゃんと写すから」
と自信たっぷりに話してくれた。
‘カミサマ!今日ノ先生ハ当タリデス!’

「これは発泡剤です。飲んだ後ゲップをしたくなりますが、ガマンして下さい」
「はいー!一気に飲んでー!はい、全部!ヨシ!ゲップ我慢、ガマン、ガマン!」
「ゲーッ!」
・・・ゲップどころか全部吐いてしまった・・・
怒られると身構えたが、先生は笑って「本当に苦手なんだね」と汚れた服も拭いて下さった。
発泡剤から再チャレンジ。さっきよりだいぶ少なめの量を用意してくださった。
さすがに申し訳ないので今度こそは!と頑張った。
「はいっ、次バリウム!線のところまで飲んでぇー!はいっ、もう少し!頑張れぇー!」
「じゃ今度は残りっ!はい、もうちょっと!もう少し!」
ガラス越しに励ます先生、そして勢いをなくした私。
「ん~、じゃ、もういいよ。はい、じゃ、台の上上がって」
後は手摺につかまり、上へ下へ右へ左へ。好きにしてください、と言う感じ。
「お疲れさまー。どうだった?少しの量で済んだでしょ?」
「はい、思ってたより辛くなかったです。ありがとうございました」
身体が重くてしょうがないが着替えて最後に下剤をもらった。
「便秘気味だったら沢山持っていっていいよ。あっ、お母さんの分も持っていったら?」
どこまでも優しい先生だった。

検査室を後にし、長ーい廊下を重たい身体をひきずりながら歩いた。
途中、おばあさんに抜かされながら・・・

***** 7.ついに腸かよ へ続く *****


© Rakuten Group, Inc.